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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第3章 目は口ほどに物を言う【ラキオ】


「はン、人聞きの悪いことを言わないで欲しいね。何故この僕が君たちを影から見るような真似をしていたと勘違いしたンだい?なぜそのような結論に至ったのか教えてほしいくらいだ」
ラキオはいつもの高圧的な態度で言葉を返してくる。
いや、明らかにこちらを見ていただろう。
「君がこちらを見ていた理由はなんだ?私やツバサの他の三人に用があったのか?」
「ツバサに用があるわけないだろう?ツバサは話が通じるだけジョナスやしげみちよりマシな人間だとは思うけど、だからといって僕の眼中に収まるほどの能力は持ち合わせていない。そんな奴に大した用もないね。皆無だ」
またもやマシンガンのように早口で捲し立てるラキオ。
そしてそのまま踵を返して去っていった。
やはり何がしたいのか全く分からない。
ラキオも去っていったのでツバサ達の所に戻る。
「キュ、おかえりなさいセツさん!」
「どこか、行っていたんですか……?」
「ああ、視線を感じると思ったらラキオがいたからね。少しだけ話をしてきた」
「え〜!私も行きたかったな〜……」
「そういえば、ツバサさんとラキオさん、仲、いいですよね」
「キュキュ!ラキオさん、ツバサさんと一緒にいる時優しい音がしてるのです!」
そうなのか、知らなかったな。
というよりもさっきラキオはツバサを見ていたのだろうか。
もうこの話をしているとそうとしか思えない。
すると、ポーンと軽い音がなった。
『数分後に空間転移を開始致します。乗員の皆様は個室へお戻りください』
LeViのアナウンスだ。そろそろ戻らなければ。
「もうお開きか〜、みんな、生きてたらまた明日ね」
「はい、おやすみ……なさい」
「キュ、おやすみなさいなのです」
「ああ、おやすみ」
個室へ戻る途中、鍵が反応していることに気づいた。
誰かの特記事項が開放されたようだ。
開放されたのはラキオとツバサ。
[表には出さないが、ツバサに興味を抱いている]
[どのループでもラキオと仲がいい]
前者がラキオ、後者がツバサ。
ループの終わりまで一歩前進だ。
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