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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第3章 目は口ほどに物を言う【ラキオ】


次の日の朝。
消失したのはステラ。残りは十三人。
一日目に役職は全員名乗り出ている。
ステラはただの乗員だった。
今回はバグはいないけれど、AC主義者がいる。
ドクターとエンジニアはそれぞれ二人ずつ名乗り出ているが、どちらの役職でも嘘をついているのは両方がグノーシアだとは考えにくい。
昨日大勢に嘘がバレていたしげみちがAC主義者かもしれない。
とにかくドクターの報告を聞こう。
今回ドクターとして名乗り出ているのは沙明とジョナス。
正直ジョナスを信じたい。でも正直無理そうだ。
「お前らやるじゃん。昨日凍らせたしげみち、グノーシアだったぜ?名医ドクター沙明の診断だ、間違いねーよ」
「……あるいは私の記録を盗んだか。しげみちはグノーシア化していた」
なるほど、両ドクターがしげみちをグノーシアだと言った。
本物のエンジニアはもう確定したね。
人間だと確定しよう。
「言うまでもないことだけど、ツバサがエンジニアだと確定したね」
と思ったらラキオに先を越されてしまった。別にいいけど。
「うん、私は本物だよ。ありがとうラキオ」
ラキオに向けて微笑むツバサ。
ラキオは眉間に皺を寄せてそっぽを向いた。
まったく、素直じゃないな。
そして、ツバサが昨日調べたのはラキオ。結果は人間だった。
つまり、
「これでラキオが人間だってわかったね、よかった」
また先を越された。今度はツバサに。
「まさかとは思うけど、僕が人間だって今更気づいたの?ハハッ、そンなわけないよね」
いつもの決まり文句を口にするラキオ。
とりあえず情報が増えたのはありがたい。
今回私は守護天使だ。おそらく今日はツバサを襲うだろうから、ツバサを守ろう。
ラキオも生き残っているとなにか情報が得られるかもしれないし、それに特記事項も埋まるかもしれない。
今回はこの二人に重点を置いていこう。
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