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【グノーシア】【短編集】宇宙を漂う船の中で

第1章 ずっと昔から【沙明】


「そういえばミンくん」
「…ン?どーした?」
「私がこの船でミンくんの肩を借りて寝てる時なんだけど」
「…………」
「………私にキスした?」
「な、なんで知ってんだよ!お前オネンネしてたはずだろ!」
「ふふっ、やっぱり。ごめんね?カマかけてみただけだよ」
「こンの……!エンジェルかと思ったら小悪魔だよお前……」
「エンジェルじゃなきゃ嫌だった?」
「いーや?全然」
俺はどんなお前でも大好きだぜ。
照れくさいから言ってやらねーけどな。
「ミンくん、ずっと気になってたんだけど」
「今度はなんだよ」
ツバサが俺の首元を見つめる。
……ああ、なるほどな。
「そのネックレス、まだ持っててくれたんだね」
「あたりめーだろ?お前から貰ったもの、まだ全部持ってるっつーの。……離れてる間、それで寂しさ軽くしてたし。……そーゆーお前こそ、俺があげた髪飾り、今もつけてんじゃねーの」
「だって、ミンくんから貰ったものだから……捨てるなんて選択肢、あるわけないじゃない」
「ハッ、そりゃ光栄なこって」
話題が終わって展望ラウンジに沈黙が訪れる。
数秒の静けさの後、先にその空間に音を生み出したのはツバサだった。
ツバサの落ち着く声が俺の耳に届く。
やっぱりお前は俺にとっての天使様だわ。
「ずっと一緒にいようね、ミンくん」
「ああ。これからはずっと一緒だ、ツバサ」
強くツバサを抱きしめる。
ツバサともう一度こうなれたのも、あいつのおかげってか。
ありがとよ、ライト。



ああ、良かった。
ちゃんと二人は結ばれた。
今思えば、あの時退散してて良かったかもしれない。
それじゃあ、邪魔者は次のループに行きますよ。
この先のループで、二人がずっとこの関係でいますように。
バイバイ、ツバサ、沙明。
"グノーシアが乗員の半数以上となり、この船を制圧しました。結果を表示します"
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