第1章 日常
side:O
妙な匂いは感じていた。
妙って言っても不快な匂いじゃなくて、今まで感じたことのないくらい美味しそうな、、、、、
…血の匂い。
これまで色んな血を飲んできたけど、香りだけでこんなに理性を壊しにくるのは初めてだな、、、、
香りの濃さと気配の位置的に、血の持ち主はたぶんこの校舎にいる。
…1年の教室あたりか、、、?
松潤はおいらと同じ種族とはいえ、、、特殊だからこの匂いにはつられないとは思うし、まあ様子を見にいく必要はなさそうかな。
あーあ、可哀想に。
この血を持つ人は確実に今日中に喰われるよ。
まぁおいらは顔も知らないやつのことなんかどうだっていいけど。
…でも何で今日まで気づかなかったんだろ。
1年がこの学校に入学してきてもう2ヶ月は経つ。
この学校は結構ヴァンパイアが多いから2ヶ月もあったらとっくに喰われてると思うんだけど。
あ、何でヴァンパイアが多いかって?
…そりゃあ、おいらがいるからだよ。
こんなだけど、S級ヴァンパイアの末裔だからね。