第1章 日常
おいらたち3年生は受験生ってこともあって他学年とは別の校舎に教室があるから、南校舎の4階から1年生の教室がある北校舎の2階まで行くのは正直めんどい。
でもカズの為ならおいら頑張っちゃうもんね。
…頑張るとはいったけどやっぱり面倒くさくて、人が殆どいない非常階段から一気に地面まで飛び降りて北校舎まで向かうことにした。
ヴァンパイアにとってこんな高さどうってことないし、こっちの方が断然早いんだもん。
非常階段側は殆ど人が通らないし見られることはないと思うけど、まぁ万が一見られちゃったらそいつの記憶をちょちょっと弄っちゃえば問題なし!
記憶を操れるのはS級の特権だもんね。
対ヴァンパイアには効かないけど。
S級にしか使えないってだけあって結構力を使うから、翔くんには止められてる。
おいらは4人の為なら歯止めが効かなくなっちゃうから、翔くんがスットッパーになってくれるのはやっぱりありがたい。
翔くんはおいらを止めれるだけの力は持ち合わせてないだなんて言うけど、いざって時は絶対助けてくれるって信じてる。
そんなこんなで北校舎にたどり着くと、松潤の叫び声が聞こえた。
「やっぱり、、、カズか。」
おいらが翔くんみたいに素早く判断をくだせてたら間に合ってたのかなって反省しながら、カズと松潤がいる2階の教室に急いだ。