第9章 間の話~緋弧~
?«零…零…目を覚まして…»
やけに脳内に響いてくる声がする。
無視しよ。
?«お願い零…目を覚まして…»
?«零…零…零…零
お願い、目をs…『あーもう分かったから!!!!何?てかお前誰?』
?«アナタも中々口が悪いわね…
私は“緋弧”よ。
アナタなら知っていると思ったのだけれど知らなかったかしら…?»
『緋弧?緋弧…何処かで聞いたことのある名前だな…
あ!“あの”緋弧様…!
b..私としたことがとんだご無礼を…』
緋弧«ハハハハ、今貴女の前では本当の私の姿ではないから気付けなくても大丈夫»
『そうですか…
所で緋弧様。今、幻の中に居ない本来の“私”は何をしていますか?』
緋弧«怪我を治しているようですが…
貴女のような善人も私は呪わなければいけないのですね…»
『それは緋弧様のせいではありません。呪いに完全に憑かれる前に緋弧様とお話できた事を光栄に思います。
それでは私は現実の世界へ戻ります。緋弧様、お願いしますね?』
緋弧«えぇ…これが貴女を幸せにするためですもの…»
緋弧«【お眠り】ください零。私は今から儀式を始めます…
“癒廼央勢” "撒" “華華散リ蕾ニ成リ今咲キ誇ル呪イノ華ヨ” "被呪者ハ此処ダ" “今” 鎖咲 呪衣與»
緋弧«ごめんなさい零…ただ呪いたくて呪っている訳ではなくこれもまた強制された“縛り”なの。貴女は分かってくれるわよね…?»