第17章 拾陸 刀鍛冶の里へ
先輩方の間では、雪柱は柱一の剣術と言われている
そして鬼殺隊の誰よりも優しく、まるで女神のようだと讃えられていた
だから事後処理班として行くなら、絶対雪柱の任務が良いと皆口々に言っていた
そんな話を聞いていた私は、里に着くまで手を抜くわけには行かないという重圧に大量の汗が吹き出た
それを雪柱様は労って下さったのだ
それは皆が言っていたように優しく、素敵な女性の姿だった
「甘い…」
隠は密かに微笑むとスキップしながら里を出た
里には、まず長である鉄珍様への挨拶から始まる
「コンニチハ、ワシがこの里の長 鉄地河原鉄珍 よろぴく」
『初めまして、雪柱 です』
私は三つ指を立てて深く頭を下げた
「まあええ子やなぁ、おいでかりんとうをあげよう」
さっきチョコレートと入れ替わるように甘いものを貰った
『ほいひーれふ』(おいしいです)
「かわええのーワシが刀打ってやりたいくらいやわー」
『ふえひーへす』(嬉しいです)