第17章 拾陸 刀鍛冶の里へ
視界と聴覚を閉鎖され、暫くすると里へ到着した
目を開けるとそこは物凄い広さの敷地と高い建物が並んでいた
「雪柱様お疲れさまでした、此方ではまず里の長に挨拶をして頂きます」
そう言う女の隠は、冬だと言うのに汗をかいていた
あ、私重かったかな…
『ごめんね…これ良かったら食べて』
懐に忍ばせていたチョコレートを出した
「そ、そんな高級品!頂けません!!」
『ここまで送るの大変だったでしょう…良いから食べてっ』
隠の口布を捲ると口に無理やりチョコレートを入れた
「んっ!」
『送ってくれてありがとう、じゃあまた』
「あ…」
すると手を挙げた雪柱様は行かれてしまった
隠として最近就いたばかりで、右も左も分からない日々
こんな私が、雪柱を刀鍛冶の里へ運んでいく任務を任された時は正直肝を冷やした
『よろしくね』
目隠しをした雪柱が最初にかけてくれた言葉だ
「はっはぃっ」
初めて見た柱のオーラに身体が固まり
耳栓をしている相手に変な声で返事をしてしまった