第15章 拾肆 止まない音
「!」
それに気づいた時、既には俺の背中の刀を取り
背後の鬼の腕を斬っていた
「ギャウッ!!」
後ろにのけ反る鬼
何故だ、何故気付かなかった??
俺の思考は覚束無かった
は、羽織に隠していた自身の刀を抜く
雪の呼吸 壱ノ型 雪紐
鬼は消滅していった
巧みに気配を消し、人の思考を鈍らせる血鬼術のようだった
だが、私達の掛かる振りも解らないような弱い鬼だ
これからもっと多くの人を喰らっていたら、十二鬼月になっていたかもしれない
早くに出会えて良かった…
そう思い天元を見ると目を丸くして呆然としていた
『天元?』
ハッと我に帰る
俺は…血鬼術に掛かったのか?それとも…