第15章 拾肆 止まない音
支度を済ませ此方に来るは
下ろしていた髪を斜め後ろでまとめ、赤い簪を付けていた
これは灰色の髪に合うように用意して貰った物だ
項が見え、より色気を醸し出していた
「更に良い女になったじゃねーか」
『そ、そうかな…?』
そして二人の任務は始まった
暫く人気の少ない夜道を歩いていた
『本当にこの辺にいる?』
「俺の感覚に間違いはねーよ」
だが、一向に鬼の気配はなかった
ふと疑問に思ったことを聞いてみた
『…隊服じゃ駄目だったの?』
「今更聞くか?隊服の奴は狙ってこねーからこうしてんだよ」
一歩後ろを歩くの手を掴み、自分の腕に回せた
『そ、そう』
いつもの静かな音と違い、たどたどしい音を鳴らすが面白かった
そして何時にも増して可憐だった
『天元…いつもの格好辞めた方がもっと嫁増えるんじゃない?』
「おい、俺は嫁を増やす気なんざねーよ」
『?』
以外にも嫁探ししていると思われていたようだ
俺は立ち止まって目の前に立ち止まった