第15章 拾肆 止まない音
木々が枯れ、雪がちらついて来た頃
私は産屋敷家の一室にいた
「久し振りだね。息災だったかな」
『はい。お館様も御壮健で何よりです』
「ありがとう、今回は天元が行っている任務の手助けをしてもらいたいんだ」
『…と、言いますと?』
話によると、ある街に夜道を歩いていると人が消えていくという
それも恋仲同士や夫婦といった男女にのみ限定される
だとしても…
『何故私なのでしょうか…?』
十二鬼月でもなければ、大きな被害を受けている報告があるわけではない
他の女隊士でも良かったんじゃないか?
「実は天元がの名を上げていてね…」
『っ…』
そうか、お館様からの言い付けなら私が断れないの知っていて…
「行って貰えるかい?」
『…御意』
渋々了承した