第13章 拾弐 珠世と愈史郎
鬼狩りの私をかなり警戒していた
でも二人の身体への探求心を抑えられなかった
『…人を喰べてないんでしょう?』
「!」
「…何故その様なことを仰るんですか」
推測は当たった。消化器官が異常だったのだ
私はこの好機を逃したくなかった
『貴方達は鬼じゃない…私は、自分の見えるものを信じます』
「!…さんと仰いましたか…此方へ」
「!!!こいつは鬼狩りですよ!?」
「良いんです」
この女性は珠世さん そして私に啖呵切る少年は愈史郎と言った
兪史郎は先程から私に醜女だの殺すだの随分と物騒な言葉を大声で羅列していた
「愈史郎…」
ピタリと話すのを辞めた
珠世さんの言葉のみ愈史郎に届くみたいだ
暫く歩くとただの壁に血鬼術で屋敷が現れた
『凄い…愈史郎、判らなかった』
「生意気に俺の名を呼ぶなこの人間風情が!!!」
『愈史郎は珠世さんの事好きなんだね』
「…///」
あれ、顔が真っ赤だ
先程の声量は何処へやらで黙り込んでいた
『さ、お邪魔します』
私は何事もなかったように屋敷にお邪魔した