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⚔️鬼殺の道標~鬼滅の刃~

第12章 拾壱 独占※







怠そうに起き上がる義勇の髪型が、癖毛を通り越して芸術的に立っていた

『…いつもそうなの?』

「何のことだ?」

当の本人は全く気付いていない

毎朝鏡を見てないのかな?

『ちょっと待ってて』

鏡台から櫛を取り、義勇の髪を解かした

すると、義勇から寂しい気配がした

「…姉さんにいつもこうして貰っていた」

血鬼術で出てきた女性のことだろう

「俺を庇ったんだ…祝言を控えていたと言うのに」

そう言う義勇は過去を愁いでいた

『きっと…自分の幸せよりも、義勇が生きていてくれる事を望んだんだよ』

「そうか…」





(勇紀、こっちおいで)

勇紀の寝癖を直すため櫛を通す

(へへ、くすぐったいよ姉さん)

(なら自分で直しなよ)

(えーやだ!姉さんがやってくれるもん)

(もう、しょうがないなー)

何気ない日常、それが何より幸せだった

もしあの時に戻れたのなら、きっと勇紀を庇っていただろう

弟のためなら自分の命なんて惜しくもない

それはきっとどの兄弟も同じ筈だ





『…はい、できた』

髪を結うと、いつもの癖毛になった

先程の寂しい気配は無かった

「助かる」

『いいえ』




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