第12章 拾壱 独占※
『…』
目が覚めるとそこは布団の中、私は義勇の腕の中で寝ていた
私の服を整え、布団を出してくれたのだろう
斜め上にいる義勇を見上げると端正な顔を保ったまま眠っていた
いつも結われている髪は外され、色気を醸し出す
誰にも見せたくないな…
この香りも嗅いでほしくない…
私は独占欲が強いみたいだ
寝顔を眺めていると、視線に気付いたのか目を薄く開いた
起きている私に気付くと頭を撫でられた
「…昨夜はすまない」
昨夜の事を謝られた、律儀に謝る義勇は何処か気怠そうだ
違和感はあるものの痛みはなかった
『大丈夫だよ』
微笑み掛けるとそうかと返答があったが、また眠りにつこうとしていた
『私起きるよ』
布団から出ようとすると、義勇の腕がそれを阻止する
「もう少し…」
『…今日は任務があるの』
「……そうか」