第12章 拾壱 独占※
透き通る世界は、行為中でも関係無く見えていた
義勇のそれは我慢の限界だった
なのに私に声をかけ、心配してくれる
そんな余裕何処にも無い筈なのに…
この人はどこまで優しいのだろうか
すると、私の中にある独占欲が顔を出す
私以外に、こんな顔をしてほしくない
こんな風に触れてほしくない
快感に溺れる顔を見せてほしい
『来て、義勇』
次第に痛みは快感に変わり、突き上げる度押し寄せる快感に身を預けた
「っ、はぁ…」
何度も名前を呼ばれ、返答する余裕も快感に溺れる義勇の顔を見る暇もなかった
義勇が旋律を止めた頃、私は意識を手放した