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⚔️鬼殺の道標~鬼滅の刃~

第11章 拾 柱として







このままじゃ私の心臓が持たない

『あのっちょっと離して』

「駄目だ」

突き放そうと抵抗するが全く動かない

抵抗は無意味と分かり力を抜いた

「はぁ…そんなに厭か」

『そんなことは…』

下の名を呼べば済む話なのに言えなかった





道場では父の教え子から好いている、夫婦になってほしいと言われたことがあった

私は稽古を共に行う者として、そう言う風に見たことがなかった

それに、お館様が来てからは常に父の顔色を伺っていた

だから恋愛事には一切興味が無かった





だけど今の私はどうだろう

(また抱き締めてくれる?)

あの気持ち悪い発言は、紛れもない本心だった

呼んでしまったらもっと気持ち悪い部分が出てしまう

冨岡さんは受け入れてくれるだろうか…

頭がいろんな思考がぐるぐるしていた





『…義勇』





呼んでしまった

自分の鼓動が耳を占領し、今にもパンクしそうだ

鬼を斬る時の方がよっぽど操作出来る





すると腕が解かれ視線が合った

義勇の顔に熱が集中するのが見て分かった

表情に出なくても耳は赤くなるんだな…

厭に冷静に観察している自分がいた





「…良いのか」





そうか、あれはそういう意味だったのか…


私は考えることを止めた


顎に手を添えられ、青い瞳が近付く


それに応えるように目を閉じた


前とは意味合いの違う優しい口付けが落ちてきた




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