第10章 玖 柱稽古
須磨さん、まきをさん、雛鶴さん
三人の作る料理はどれも美味しかった
そして皆三様に美人で否の打ち所がないときた
天元にこんな奥さんがいるなんて…私は愕然とした
と思いつつも口の中に食べ物を放り込み続ける
他人が作る料理を頂くのは鱗滝さんぶりだ
「さんってお綺麗よね、それでいて強いだなんて羨ましい///」
「こら須磨!天元様の前で強いとか言わないの!」
「まきを、あなたこそ失礼よ。さん、お味はどうかしら?」
『はひ、ほひひーへふ』
「きったねーな!飲み込んでから話せっての」
『ゴクッ、美味しすぎるから仕方ない…』
「理由になってねーよ。ほら、これもやるから食え」
『ふふふ、幸せ…』
「お前が嫁に来たら俺も幸せになるんだけどな」
「「「え?!」」」
三人の圧が凄かった
私は変な汗が出た
『いや…無理』
「即答かよ」
『せめて空気を察し』
「「「私たちは大歓迎ですけどね!!」」」
「だろぉ?こいつ中々しぶとくてなー」
『…』
(こらこら、あんまり急いで食べると喉に詰まるよ)
(ははは!姉さん頬っぺぱんぱん!)
(今日はの好きな親子丼だから仕方ないわよ、おかわりあるからね)
ふと家族との想い出が甦った
すごく楽しかったな…
私は久し振りの賑やかな食卓を存分に楽しんだ