第10章 玖 柱稽古
「ほんと、お前には派手に驚かされるな」
『それって褒めてる?』
「当たり前だろ、本当に下弦の鬼で死にかけたのか?」
『私は弱くない…』
「もう言わねーよ、悪かったな」
するとは初めて屈託の無い笑顔を見せた
『宇随さんありがとう。お陰で自信を取り戻せた』
「…天元って呼べ」
『え?』
「これからは天元って呼べって言ってんだ!」
『て、天元。ありがとう』
「…お安いご用だ」
そう言うと天元は私の頭を撫でた
「やっぱ嫁に来ないか?」
『…』
こんな所でも構わず言う天元に呆れていると顔が横に来た
「無言は肯定で良いんだな?」
そう耳元で囁かれた
いつものふざけた天元とは思えない程妖艶な声色だった
『っ///……行かない、行きません』
こんなんで赤くなるあたりこいつは生娘だろうな…
からかいがいがあるってもんだ
「お前がその気じゃなくても俺はド派手に大歓迎するぜ」
『もう、帰る…』
「待てよ、せっかく来たんだ、嫁達の飯食ってけよ」
『えっいいの?』
「もちろんだ、派手に旨いぞ」
『じゃあお言葉に甘えて』