第10章 玖 柱稽古
伍ノ型 鳴弦奏々
肆ノ型 淡雪
凄まじい音と風に砂が舞い、姿が見えなくなった
先程から屋敷には二人の噂を聞き付けた観戦者が大勢いた
その中に熱い男、煉獄杏寿郎が居た
バキィ!!ーーーーー
互いの激しい連撃の末、遂にどちらかの竹刀が折れた音がした
観戦者は視界が晴れるのを固唾を飲んで待っていたが、杏寿郎はその場を後にした
「うむ!互いの戦いは素晴らしかった!尊敬する!!俺が柱になった暁には、是非とも手合わせ願いたいものだ!」
ははははは! と一人大声で笑いながら歩く杏寿郎に数名の観戦者がビクッと振り向いた
視界が晴れると、そこには宇随の目の前に竹刀を突き立てるの姿があった
「…まだ一本残ってるぞ」
『往生際の悪い…』
「はぁ、分かったよ、今回は俺の負けね」
両手を挙げ降参した
すると周りの観戦者が騒ぎだした
「ったく、稽古は見せもんじゃねーっての!」
帰れ帰れとあしらった