第2章 壱 夢の中で
「おねーさーん!まだー??」
「勇紀、はお母さんの薬を作ってくれてるからまだ来ないぞ!」
「もー!稽古の時間なっちゃうよ」
「まだ家を出るまで時間はあるじゃないか、来るまで雪合戦するぞ」
男同士庭で遊んでいる中、薬品が置いてある一室に二人はいた
『うーん…この薬草と…』
「これも良いかもね」
私の横から手を伸ばし薬品を手に取る
『もう、私がやるから座ってて』
少しふて腐れたように言う
「ふふふ、ごめんね」
母の祖父は薬学に強い医者だった
それを私に教えてくれて薬の調合を行えるようにまでなった
『はいこれ、苦いけど』
の作る薬は瞬く間に治癒し、いつも家族を助けてくれた
「は将来医者になれるかもね」
『私には無理だよ』
「無理なことはないわ、は神様から素敵な目を貰ったのよ」
これは母の口癖だ
私は母と同じ灰色の瞳だが見えるものは全く異なる
最初はそれが怖くて仕方がなかったが、この言葉のお陰で私は前を向くことが出来た
「だから、その目で沢山の人を助けてあげてね」
母は薬を一気に流し込み、私の頭をわしゃわしゃと撫でた
『ふふ、そうだね』
その後雪合戦に参加し、鎌倉を作って雪を遊び尽くした