第9章 捌 廉雪山
私はお館様の屋敷の一室にいた
「この間は隠の子達を助けてくれてありがとう。皆口々にを女神と言っていたよ」
にこっとお館様は笑った
『本当の女神になれたらお館様を生き長らえるよう尽くします』
「は優しいね」
『ふふ、ありがたきお言葉痛み入ります』
私と会話するお館様はいつも楽しそうに年齢相応の顔をしてくれるのだ
私も嬉しくなりつい顔が綻ぶ
「今回はね、合同任務に行って貰いたいんだ」
『合同…ですか?』
今迄も合同任務はあった
だが今は私とお館様の二人だけ、通常なら私の隣には同行する隊士がいる筈だ
「今、冨岡義勇を水柱として迎えたいと思っていてね、妹弟子として意見を聞きたかったんだ」
成る程、それで私だけを呼んだのか
『冨岡さんは…腕ももちろんですが己の道を開き真っ直ぐ向かっていく強さを持っています。私はお館様に賛成致します』
「分かった。それじゃあ頼んだよ」
『御意』