第2章 壱 夢の中で
人の身体の中 血液の流れ 筋肉 骨 臓器
そして異常がある部位
にはそれが見えていた
人と見えるものが違うと分かったのは六歳の頃
『お母さん、お腹変だよ?』
泣きながらそう言う娘を不思議に思い
病院に連れていったが何も異常は無かった
娘に替わり母親が病院へ行けば妊娠が発覚した
元柱として信じたくはなかったが
透き通る世界というものが娘には見えるようだった
「お母さん、大丈夫??」
「ありがとう勇紀、でも寒さで少し頭が痛むだけよ、すぐ治るわ」
「…私も手伝おう」
「ありがとう、お父さん」
の元へ行く
『はい、これ持っていって』
「すまないな、」
『ううん、こう言うことにしか使えないから』
その目はどこか遠くを見ていた