第27章 弐拾陸 手紙
『鬼殺隊に入ってから何度も経験してるし』
起き上がり、義勇に身体を向けそう伝えると眉間に皺を寄せた
「辛くないのか」
『うーん…でも続きが気になるの…夢だからそんなに辛くないよ』
「そう…なのか」
難しい顔をする義勇
『ふふ、心配性だね』
「当たり前だろう…」
はぁ、と溜め息を吐いた
私はふと寝る前のことを思い出す
『そういえば…鱗滝さんに手紙書こうと思ってたの。手伝ってよ』
そう言うと、渋々了承してくれた
私があまり気にしていないことが分かると、いつも通りの義勇に戻ってくれた
「この間…任務で偶然胡蝶に会った」
話を聞くと、しのぶは毛が付いている生き物全般が苦手だという話だった
『え、義勇も苦手じゃない?』
この前私の屋敷に入って来る人懐こい野良猫に噛まれていたことを思い出した
二人の意外な共通点に思わず笑ってしまった
その後、なんとか鱗滝さんへの文を書き終え、白音に渡すと
見廻り迄の少ない時間を二人で過ごした