第27章 弐拾陸 手紙
文を書こうと筆を持つ
だが今回の見廻りで相当な数の鬼を斬った疲労が回っていた
寝転がり天井を仰いで少し眠りに付こうと目を閉じた
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兄上は日が暮れる頃、縁側に座っていた
私はそれを自室の襖から覗き見ている
(何故不自由を強いられる…ただ生きているだけだと言うのに。)
兄上は静かに怒っている様子
(雪梛の病状は悪化するばかり…いつになったら出来ると言うのだ。あの忌々しい医者め…)
兄上から私たちの治療薬を作っていると前に言われたことを思い出す
だがそれはまだ作られていないようだ
私達は今も緩和剤の処方のみで、生き永らえている状態
すると兄上は急に苦しみ、踞った
私は襖を開き兄上の元へ駆け寄ろうとしたが、
そんな私の足も力が入らず兄上の目の前で倒れてしまった
(っ…兄上!誰か!!お医者様を呼んで!)
必死に声を挙げると、鑰知が慌てて此方に気付き
医者を呼びに行った
(ゴホゴホッ!はぁ…はぁ…)
息苦しそうだ
(兄上…大丈夫です…きっと良くなります…)
病状を悪化させていく兄上に、私の胸は酷く痛んだ
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