第26章 弐拾伍 炎柱
「杏寿郎、柱になるための条件、君ならよく知ってるね。実は帝都付近で十二鬼月である可能性が高い鬼の情報が入った。君にはその討伐任務に当たってもらいたい」
「「「!!」」」
「お言葉ですがお館様、十二鬼月の可能性があれば我々が向かうべきかと…」
しのぶが言うのもごもっともだ
「君たちには空席となった柱たちの警備地区も担当してもらわないといけない。それに元は慎寿郎担当地区だからね。自身が柱足りえるというならば、言葉だけでなく実績で…そうすれば自ずと皆認めてくれる。君の実力を示しておいで、杏寿郎」
「はい!」
張り切って返事をすると、杏寿郎は去っていった
不死川はありえねェ、何で…と嘆いていた
天元はここぞとばかりに不死川を弄る
少々不安が残る私はお館様に問い掛けた
『お館様…宜しいのですか?それとも、いつもの勘でしょうか?』
「勘というより、確信に近いものを感じるんだ。あの時に言ったようにね」
『?』
「煉獄杏寿郎。あの子は近いうちに鬼殺隊の運命を変えてくれる一人になる」
(はいずれ私達鬼殺隊の道標となってくれると私は信じているよ)
幼い頃、お館様に言われたあの言葉を思い出した
これ以上聞くのは野暮な話だ
杏寿郎はきっとこの任務を成し得るだろう
『そう…ですね』
私はお館様を信じることにした
後日、炎柱 煉獄杏寿郎が就任し、皆に認められたのであった