第26章 弐拾伍 炎柱
杏寿郎の話によれば、奥さんを亡くされてから酒を打ち込むようになり
任務前すら断酒できないとの事
「ああおいたわしや…慎寿郎殿は柱古参、本来なら皆をまとめねばならぬ立場だというのに…」
「隊員にも示しがつかねぇし地味に士気に関わる。派手に引退を推すぜ俺は」
「柱が足りねェ。酩酊状態じゃお館様も任務にやれねェ、どうしたもんか」
「それは問題ない!!俺も炎柱になれば父上もきっとやる気を取り戻してくれるでしょう!」
三人が立て続けに話すと、杏寿郎がトドメの一言を放った
天元が笑い、不死川はまたお得意の人を殺す目に変わった
「おい、煉獄杏寿郎…随分と自信があるようだなァ。そんなホイホイなれるほど柱は甘くねェんだよ」
「勿論"柱"の昇格条件は理解してます!」
柱を前に、凄い勢いで答えた
随分と熱い…冬を感じさせない熱苦しさに眉をしかめた
「じゃあテメェの腕前見せてみな」
「不死川…」
「悲鳴嶼さん、頼む…お館様、お許しください」
また始まった…
私は額に手を当てると、凪状態の義勇が珍しくこちらを見た