第25章 弐拾肆 大きい身体と大きい心
ドシャッーーーーー
見廻り中、ある寺の前で鬼に襲われそうになっている少女を助けた
『大丈夫?…』
いつものように声を掛けた
「…ごめんなさい…ごめんなさい…」
その少女は踞り、頭を抱え何かを謝り続けていた
『安心して…』
「あぁ…ごめんなさい…」
そのような行動を取る人を見たことがなかった私は落ち着かせようと背中を擦り、水を飲ませた
「ありがとう…」
この子の名は 沙代
四歳の時に鬼に遭遇し、その時寺にいた他の子供は一人を除いて皆死んでしまった
沙代はその時に育ててもらった先生に助けられたという
「でも私…怖くて頭が混乱して…先生が皆殺したって言っちゃったから……」
『!!…』
「それをずっと謝りたくて…うぅ…」
謝っていた理由は育ててくれた先生への後悔
鬼に遭遇する恐怖よりも
その事が頭から離れられないようだった
だが、まだ四つの幼い子供が鬼が来たと言っても周りの人達は理解してくれただろうか…
捕まった先生はきっともう此の世にいない
沙代の後悔はきっと一生続くだろう
どうにかして助けてあげたい…