第23章 弐拾弐 蟲柱
カナエを失ってからというもの 空いてる時間があれば蝶屋敷に赴き、稽古を付けていた
だからしのぶの柱就任はどうしても見届けたかった
進む道を支えたかった
鬼殺隊としても、もう一人の姉としても
その意を汲んでくれたお館様には感謝しかない
ある山に着くと、僅かに鬼の気配がした
『場所…分かる?』
「東側ですね」
『流石だね、私は西側から行く』
「分かりました」
こうして二手に別れた
しのぶは既に気配の察知能力も柱として申し分無く成長している
それに一番の武器は自身で作り出した毒薬
あれは鬼を殺せるが、朝まで消滅しない
鬼に同情してしまう程もがき苦しみ死んでいくのだ
『……』
西側を走ると、一人の鬼殺隊員が倒れていた
内蔵が食い散らかされていて、瀕死の状態
また間に合わなかった…一人で辛かっただろうに…苦しいだろうに…
「ふっぅ……」
隊員の背中へ手をやった
『私が貴方の意志を繋ぐ…だから安心して眠って』
「あ…」
そう言うと隊員は驚いた後、安らかな顔を見せてくれた