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⚔️鬼殺の道標~鬼滅の刃~

第22章 弍拾壱 束の間※







カナエの死から早二ヶ月

義勇と偶々非番が重なり、町へ出た

「元気になったな」

『義勇のお陰だよ』

空いてる時間があれば私の処へ来てくれていたのだ





定食屋に入り、向い合わせの席に着くと

品書きを見ずに鮭大根定食を頼んだ

相変わらずパァっと喜んで食べる義勇

それを横目に好物の親子丼を堪能していた

何度か訪れたことがあったが、ここの親子丼は格別

何だろう、出汁が全然違うのかなぁ…

薬以外にこんなに興味が湧く物が出てくるとは思わなかった

まじまじと親子丼を見ていると、米粒まみれの義勇がこちらを見ていた





『…食べる?』

親子丼を差し出した

すると義勇は目を閉じ口を開けた

『え、ちょっと…』

紛れもなくあーんを待っている

昼時の混み合っている店内

恥ずかしくないんだろうか…

「早くしろ」

薄目を開けて催促するので慌てて食べさせてしまった

「まぁ、ふふふ」

隣の老夫婦が此方を見て微笑んでいた

「…旨いな」

そして義勇は何事もなかったように鮭大根を口に運ぶ

『もう…』

義勇の大胆な行動に顔が赤くなった

何を言っても無駄そうなので

俯きながら静かに食事を再開させた




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