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⚔️鬼殺の道標~鬼滅の刃~

第21章 弍拾 友よ、永遠に







カナエは両親を鬼に殺されたにも関わらず、鬼との共存を望んでいた

私は家族を殺した鬼を許せない

珠世さんや愈史郎のような人達ならまだ分かる

だが探せど皆人間を喰う鬼ばかり

そんなことは到底無理な話だ

『カナエは…心が広いんだね』

「そうかしら」

『出来るなら…私もそうしたい』

お互い見やり、微笑んだ





私が蝶屋敷を出る頃、カナエの鎹鴉が現れ、産屋敷へ行くよう伝令があった

『じゃあ、気を付けて』

「ええ、また…」





それが私とカナエの最後の会話だった





「花柱、蝴蝶カナエ死亡!」





夜が明け、見廻りを終える頃、静かな森で白音の声が響く

それは私の心臓を五月蝿くさせた

全身から厭な汗をかく

判っていた、鬼が存在する世界に明るい明日など無いことを

『うっ…』

胸に激痛が走った

これは刀が貫通した痛みなのか

又はカナエの死を認めようとしている痛みなのか判らない

吐き気がする

この感情は家族を失った以来だ

(鬼と仲良くしたいと思っているの)

つい数時間前の会話が蘇る

そんな人が鬼に殺されるなんて、此の世はあまりにも残酷すぎる





(如何なる方法でも私を試せ…雪梛の笑顔を取り戻せるなら)





ふとあの言葉を思い出す

妹をそこまで想うのなら何故鬼にさせようとした

兄上だって元々人間だったのに…




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