第21章 弍拾 友よ、永遠に
急な話の転換に口に含んだカステラを落とした
あら?とにこやかに言われた
『なんっ…』
「は分かりやすいわねっ」
悪戯に笑うカナエは私をいじる時の天元のようだ
しのぶと言い、この姉妹には本当敵わない
『でも…ずっと一緒にはいられない』
鬼殺隊になって初めて出来た友だからこそ出た本音だ
身体を重ねたのは一度きり、口付けは何度も経験した
もう遅いことは判ってるのに、胸の奥底にある感情が一線を引く
それは義勇も判っている筈だ
「でものご両親は元柱同士でしょう?私たちは鬼殺隊だけど、そのくらいの幸せは掴んでも良いと思うわ」
『……でも私は、鬼をこの世から消したい。引退なんて中途半端なこと何て出来ないよ』
「…私はね、鬼と仲良くしたいと思っているの」
『…え?』
「だって鬼は元々人間なのよ、消してしまうなんてとても憐れだわ」
「簡単じゃないことは分かってるけれど、私はいつか仲良く共存していける世の中を望んでるの。こんなこと言ったら、しのぶに怒られるけれど」
テヘと舌を出して言った
「だから一緒にいられないことなんて無いわ、自分の気持ちに正直になってね」
『カナエ…』