第21章 弍拾 友よ、永遠に
薬品の匂い…
ここは家の薬品庫を思い出させてくれるから好きだ
ふうと深呼吸をして、自分の身体に向き合う
もう治るな…
「、大変だったわね」
ノックと共に柱合会議ぶりの友が訪れた
『…久しぶり、カナエ』
「ごめんなさいね、柱合会議の後すぐ治療する人がいたものだからゆっくり話せなかったの」
『何も気にしないで、私こそ忙しくてなかなか来ること出来なかったし…怪我でもしないと会えなかったね』
「ふふ…元気そうね」
カナエに傷口の診察を受けた
傷口は既に瘡蓋のみ
義勇が帰る頃には身体を動かすことが出来ていた
今日中には何事もなく見廻りに行くことが可能だろう
「いくらでもこんなに早く治るとは思わなかったわ、化け物かしら?」
相変わらずカナエは柔らかい口調で棘のある言葉を吐く
『…カナエと話したいな、時間ある?』
久し振りに話す内容は、任務の道中で寄った薬屋で見たことの無い薬を見つけたことや
薬草の話などと相変わらず薬の事ばかり
でもその話は薬学に精通した者しか出来ない会話
そして鬼殺隊に入って初めての友達だからこそこんなにも心が穏やかになる
「それで、冨岡さんとは上手く行ってるのかしら?」