第20章 拾玖 季節風
しばらく走り、目的の町に着く
異様な静けさだった。人の気配が一切ない
それに町は広いため、鬼の気配が薄く把握しにくい
「俺は東から行くぜェ」
『分かった』
私達は東西に別れた
一時間程気配を探すが、見つけられなかった
喰い尽くして違う町へ移動したのだろうか
それとも十二鬼月…?
ドォォォン!!!
『!』
東の端から爆音が響いた、不死川が先に見つけたようだ
私は東へ走った
「くっ!めんどくせぇなァ!!」
この鬼は血鬼術で大量の人間を操り、こちらに攻撃を仕掛ける
どいつもこいつも痛ェから早く殺せと俺にせがむ
間合いを詰めても人間が鬼を覆い、首を斬ることも出来ねェ
俺は腕を差し出し自分の稀血を行使した
「!!!貴様っ…」
「ほらよォ、お前の飯はこっちだァ…」
動きが鈍ってきた…今だ
風ノ呼吸 弐ノ型 爪々 科戸風
首を斬ろうとする瞬間、一人の鬼殺隊員が鬼の前に現れた。