第19章 拾捌 お祝い
支度をして見廻りの為外を出る
今朝よりも雪が降っていた
手に取ってみると、夢と同じ綺麗な結晶の形をしていた
『綺麗…』
「雪が好きなんだな」
『!』
驚いて振り向くとまさかの反応だったのか
義勇も驚いていた
『…ふふっ』
「?」
『夢でも同じこと言われたから驚いた』
「それは正夢か?」
『どうなんだろう…でも、今も昔も…この景色が好き』
「…そうか、俺も好きだ」
義勇に手を握られ、二人は歩き出した
きっと雪梛と兄上は二度とあの景色を見ることは出来ない
何故知っているかは判らない
ただの妄想かもしれない
でも今この瞬間をしっかり目に焼き付けたくて
上空を見上げ、舞い落ちる雪を見つめた