第18章 拾漆 残酷
炭治郎からは強い意思を感じた
自分の家族を埋葬してもその気持ちに揺らぎが見えなかった
きっと大丈夫だろう…そう思い妹の斬首を辞めた
そして、あの時水柱さんにしてもらった事を自分もした
少しでも助けれたらと…
そんなことをしても死んでしまった事実は消えないのに
『彼方は…こんな気持ちで埋葬してくれたんですね…』
言葉が降り注ぐ雪に溶けていく
はぁと白い溜め息を溢した
麓を降りると義勇が待っていた
『家族を埋葬してきた』
「そうか…すまない」
『私がしたかったから…』
その後義勇は何も言わず私の隣を歩いた
この優しさに先程の気持ちが少しずつ晴れていった
『…鱗滝さんに、義勇と仲良くするんだぞって言われた』
「…流石だな」
『ふふ。あの嗅覚は嘘を付けない』
「…」
義勇は立ち止まった
「生まれてきてくれてありがとう」
『っ…』
「先程もお前がいなければ決心が付かなかった…は俺の道標だ」
『義勇…』
「これからもよろしく頼む」
『此方こそ』
二人は本部へ戻るとお館様にこの事を報告し、鱗滝さんに文を送った