第18章 拾漆 残酷
「っ…禰豆子…」
そうだ、気絶して…
『起きた?』
「!!」
頭上に女性がいた
腰に刀…
ガバッーーーーー
俺は先程の事を思い出し、咄嗟に禰豆子を抱えた
『ごめんね…』
「え…」
さっきの人と同じ鬼狩りじゃないのか?
『立てる?』
手を差し出してくれた
「あ…はい」
その手を掴んだ
手の皮膚がとても硬かった
この人はさん
さっきの人は冨岡義勇さんと言うらしい
『今は陽が射してないから大丈夫みたいだけど妹を陽の元に連れ出さないように』
さんは俺の家迄の道中、鬼がどう言うものか教えてくれた
この人はとても静かな話し方をする
そして感情の匂いも薄い
でも透き通るような綺麗な声は俺の心を落ち着かせてくれた
さっきの冨岡さんとは大違いだ
さんは本当に鬼狩りなのだろうか…?