第18章 拾漆 残酷
気配を辿ると、屋敷に目がいった
そこには小さい子供が雪を真っ赤な血を染め、踞っていた
既に息絶えていた
『…』
まだ幼い…二、三歳といった所だろう
幾度となく見てきた光景だが、決して慣れるものではなかった
そして開いている襖を覗くと、そこは地獄絵図だった
他の子供三人と母親が皆惨殺されていたのだ
僅かに残る禍々しい鬼の気配に吐き気がする
そして私の来た方角とは反対側に違う鬼の気配を感じた
鬼にされたのか…
急がないと鬼になる瞬間は重度の飢餓状態
早く楽にしてあげなければと気配の方へ急いだ