第18章 拾漆 残酷
夜になると、辺りはかなり吹雪いてきた
狭霧山に鬼の気配は無く、次の山や町を探索するも、鬼の気配は全くと言っていい程無かった
今迄にこんな日が有っただろうか…
あまりに静かな空気に何か厭な予感がした
そんな思いとは裏腹に、厚い雲から僅かに明るみが現れてきた
鬼殺隊に入ってからと言うもの
この夜明けがどれ程待ち遠しいものに変わっただろうか
せめて私の警備地区だけでも、住民が何事もなく一日を迎えれることを願った
ある山の麓で僅かに鬼の気配を感じた
もしかしたら雲が厚いから行動できる鬼が居るのかもしれない…
私はその気配を探りながら走った