第18章 絶対君主には成れずとも$ 中巻
「それで妹がお姉さんに恩返ししたいということで……」
炭治郎の後ろからひょっこり出てきた禰豆子とてとてと歩いてくる。
「お姉さん、これ。もらってくれる?」
「何かしら?」
炭治郎の妹、禰󠄀豆子が朔に髪留めを手渡す。
「髪留めに使って下さい」
「綺麗……」
朔が背中に流れる髪を一まとめにする。
「義勇様、義勇様!似合いますか?」
「ああ、似合っている」
浅黄色の髪に橙色の髪留めが揺れる。
元気一杯の朔には似合いの色合いだ。
褒められたのが嬉しかったのか、喜びのオーラが体全体から出ている。
「そういえば、菫(すみれ)さん。お姉さん方が探していましたよ」
禰豆子に菫と呼ばれた少女は朔より頭一つ低いくらい。
体つきは娼館で働いている割には貧相だ。
客観的に見て、朔の方が男受けする体つきである。
「うー、サボって無いもん!ちゃんと呼んでるもん!ね?お兄さん、お店来てくれるよね?」
何だか断りづらくなってしまった。