第2章 始まりの日
「さて、どっから話すかな…。まぁ順番にいくか」
「お願いします」
頭を掻きながらそう言って笑う男の人に、こくんと頷き返事をして。
「まずお前がさっき事故ったのは覚えてるな?そのせいでお前の体は今、死にかけてる訳だ」
「あらまあ」
「軽っ…!」
お前そんなんでいいのかよ、と心配するような表情を浮かべる男の人に、あははーと笑って返して。
不思議なことに、生きていた世界に対して名残惜しさなどはなかった。
(多分、どうでもよかったんだろうなぁ)
簡単に言えば色んなことに疲れていた。
"人間"という仕事に嫌気がさしていた。
生に縋りつくことすら面倒だっただけ。
まぁそんなこと今となってはどうでもいい。
とりあえずは現状把握、と思い男の人の話を聞くことに。
.