第2章 始まりの日
無事にジン太たちにも迎えられ、悠華はすぐに皆と打ち解けていった。
「…悠華サン、今日はもう遅いッスから、そろそろ休んだらどうッスか?」
色んなことがあってお疲れでしょうし。
浦原にそう言われ、確かに疲労が溜まっていることに気づく。
浦原に勧められ、風呂に入ってから今日はもう眠ることにした。
着替えに渡された紺色の浴衣を持ち、風呂場へと向かう。
「あ…お風呂入るなら、これ外さなきゃ…」
そう言って悠華は、首に着けられたネックレスに触れた。
それは、悠華が留め具を外した瞬間だった。
突然大気が揺れ、重いものに変わる。
(なに、これ…!?…苦しい…ッ)
胸の辺りに苦しさを感じ、悠華は思わずその場に蹲る。
大きな足音と共に、焦った浦原の声が近づいてきた。
「悠華サンッ!!大丈夫ですか!」
浦原に抱えられ、悠華は浅く呼吸を繰り返す。
異常なまでの悠華の霊圧の巨大さに、あの浦原でさえ苦しげに顔を歪める。
(なんだこの霊圧は…さっきまでは僅かに感じ取れる程度だったのに、何故急にーー…?)
原因を考えていると、悠華が弱々しく右手を掲げて。
その手には、外されたネックレスが握られていた。
「うら、はらさんっ……これっ、外したら…っ、こん、な……っ」
苦しげに話す悠華の手からネックレスを受け取ると、それを彼女の首に掛け直す。
その瞬間、空気はシンと元の静けさを取り戻した。
「…ほら、悠華サン、もう大丈夫ッス。さ、ゆっくり息を吸って…」
悠華の呼吸が落ち着くまで、浦原は安心させるように彼女を抱き締めていた。
.