第2章 始まりの日
「ごめんなさい、浦原さん…もう大丈夫です。ありがとう…」
悠華はそう言って弱々しく笑うと、ゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫なら良かった。
…ところで悠華サン、そのネックレスは?」
浦原が指差したネックレスに触れると、悠華は思い出すように話して。
「これは…龍仙華ーーあたしの斬魄刀がお守りだって言って、着けてくれたんです。
…肌身離さず着けてろって、言われてたんですけど…」
「成程…どうやらそれは霊圧制御装置みたいッスね。貴女の斬魄刀が言う通り、それはずっと外さないようにしてください」
浦原の言葉に、悠華は静かにこくりと頷いた。
「…あぁ、そうだ。一人でお風呂入れますか?アタシが一緒に入ってあげますよん♪」
「け、結構ですっ!もう大丈夫ですから!」
悪戯っぽく話す浦原さんを、悠華は少し頬を赤くして風呂場から締め出した。
「まったく、からかい甲斐のある人だ…」
浦原はくすりと笑い、自室へ戻っていく。
(それにしてもあの霊圧…)
ーーこれは忙しくなりそうだ。
小さくそう呟くと、暗い廊下に消えていった。
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