第2章 前日、罰は免れた【稲田】
「すみませんでした」
「でもも悪いんだぞ。あんなにムキになるから余計に面白がられるんだ」
「面白い、ですか……」
そんなつもりは全くないのに、そう言えば昔大川先輩にも私と八軒くんは反応が面白いって言われた事あったっけ。
「これ以上うちの可愛い後輩をからかわれるのも困るし、豊西先輩に釘さしてもらうか」
はぁとため息を吐かれた。ただでさえ部長になって大変なのに、先輩の苦労を増やしてるのかな。
「本当にすみません」
「もう気にするな、あんまり引きずってると馬に影響するぞ」
そういえば新人戦でもいい成績が取れなかった。
馬術部の中でもお荷物になってるなぁと落ち込んでいると依田先輩が明るく背中をバンッと叩いた。
「ほら、行くぞ」
「……はい!」
笑顔で促されて、落ち込んでる場合じゃないと奮い立たせる。
私も先輩たちみたいにかっこよくなりたいなぁ。
「よーし、俺より後に着いたら罰則な」
「それは酷いですよ、待ってください!」
突如そう言って走り出した依田先輩に驚きつつ、必死に追いかけた。
~続く~