第3章 当日 常盤編
「、立て! まだ間に合う」
「いったぁ……」
顔を上げると前を走る人が視界に入ったけど、いつまでも倒れてられない。
起き上がり何とかゴールすると三位と書かれた旗を渡される。
「三位……三位だ」
「大丈夫か」
「常盤くん、初めて旗もらった。いっつもビリだったからすごい嬉しい!」
膝もジンジンするし頬もヒリヒリしてる。けど、三位と書かれた旗が私にはとても眩しく見えた。
「おう! でも惜しかったよな、ネットをくぐったところまでは一位だったのに」
頬や膝についた砂を払ってると常盤くんは残念そうに口を尖らす。常盤くんの言葉で驚いてこけたのは言わないでおこう。
「障害物なのに最後に直線ストレートがあるのが悪いんだよ。走るの苦手なんだなぁって実感した……っ!」
私が三位で常盤くんが一位。上位ゴール者は点数係のテントに申請に行かなければならず、待っててくれた常盤くんと一緒に行こうと歩き出した途端、左足首に痛みが走り顔が歪んだ。
「どうしたんだ?」
「ちょっと、さっきこけた時に捻ったっぽい。でも大丈夫だよ」
ゴールまでは必死で気付かなかったけど、足首を曲げるとズキリとする。
「歩けるか?」
「ゆっくり歩けば大丈夫。常盤くん先に行ってて」
「いや、ここはお姫様抱っこだろ!」
他の競技だってあるんだし、ここでのんびりしてるわけにはいかない。
なのになぜか親指を立てていかにもいい事言いましたって顔してる常盤くん。
「は、え?」
これを持ってろと旗を差し出されて反射的に受け取り、どうするのかと思えば私の膝裏に手を差し入れてグイッと持ち上げた。
「やっ、ちょっと待って、無理無理無理! 怖い、フラフラしてるって」
「ぐ、ぅ、これくらい……軽い軽い」
「下してって!」
足元が宙に浮くもヨタヨタと歩く衝撃で今にも落ちそう。必死に常盤くんの首に手を回すけど、余計にガクッと落ちかけてまたしがみついてしまう。