第3章 当日 常盤編
「あ~緊張するな」
この競技は上位三名まで点数が加算される。障害物競走なら足の速さはあんまり関係なさそうだから頑張らなきゃ。
「大丈夫だ、俺が代りに一着とってやるからよ」
緊張する私に常盤くんが根拠のない笑顔を見せるけど、今はその笑顔にホッとする。
「うん、期待してるね」
気を使ってもらってこうやって補ってもらえるのはすごく心強い。でも私も頑張らないとだよね。
「常盤くん、頑張れ!」
「お、おぉ! 任せとけ!」
スタート位置についた常盤くんに後ろから声をかけると、普段より高いテンションで振り返った。
そして……
「すごい! 常盤くんすごい!」
さすが言うだけあって常盤くんはぶっちぎり一位でゴール。
いつもは気付かないけど、常盤くんって運動神経良かったんだ。
「~」
一位の旗を持って嬉しそうに手を振ってる。こうなったら全力でやるしかない。
数組の後、いよいよ私の番が来た。
「~、全力だ!」
「頑張れ~」
クラスのみんなの声援が聞こえてくる。私は前だけを見て障害に集中した。そうだ、障害競技と一緒で集中すればいい。
パン
スタートの合図と共に飛び出す。
「うりゃ!」
まずは重なったフラフープ10本をくぐる。真ん中に飛び込んで10本の下に手を入れると勢いよく持ち上げ後ろに投げ飛ばした。
そして平均台。
毎日馬に乗ってるんだしバランスだけは自身がある。平均台は落ちたら最初から戻らなきゃいけない。少し遅くてもここで確実にノーミスで行かなきゃ。
「っと、くっ」
最後よろけながらも無事に渡りきった。そして最後のネットくぐり。
今の自分が何位かなんてわからないけど、ただひたすら身を低くして膝で進むと共にネットを後ろに送る。
「ぷはっ! 最後!」
ネットを出ると一気に視界が開けた。後はゴールテープに向かって進むだけ。
「一位だぞ!」
テープの向こうには常盤くんが両手を上げて呼んでる。
え、一位?
驚き思わず意識を後ろにやってしまった。
「あっ!」
集中力の欠如。
それが原因なのか足がもつれ、ゴール手前で思い切り顔からこけてしまう。