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恋、つまり、まばたき(R18)【カラオケ行こ!】

第1章 いつも、いきなり


下着とスラックスのスリットから顔を覗かせる其れは少し窮屈そうだ。ほんのり赤を帯びた肌色の、艶のある先端。まだ勃っているとも言えない彼のものをそっと手を添えて持ち上げて、お伺いをたてるように彼の顔を見上げる。

「舐めて」

その言葉が耳に入るなり、楓は彼の性器を口に含んだ。弾力のある感触を口中の粘膜で包み込むと、みるみる血が巡り質量を増す。
やがて手を添えなくとも屹立するその様子を見て、愛おしさに胸が疼いた。
狂児はベルトを外すとスラックスと下着を膝まで下ろした。楓の顔に下半身を近づけ、頭を撫でて続きを催促する。

たっぷり唾液を纏わせて唇と舌で先端の丸みとくびれを愛でる。すでに質量は最大近くまで増している。赤みを増し、少しグロテスクに見えた。
血が巡り切ると口に入らなくなる。今度は下の幹のところを手の平や指の先で撫で、擦る。亀頭を口に含み、鈴口に舌を這わせると少しのぬるみと潮っぱい味が広がった。それを舐め取って、吸い上げる。ちゅぱ、と甲高い音が鳴った。
頭上から優しい響きで声が聞こえた。

「何だかんだ言うて、すぐスイッチ入る楓ちゃん、そういうところ好きやで」
「んん……」

見透されて消え入りそうに恥ずかしいが、そもそもこれが彼との関係において正しい姿だ。
彼が望んだ時にすぐに致せることは、彼と関係を続ける上の最低限の契約のようなものだった。

楓は彼にマンションの一室を与えられ、今もそこに住んでいる。
彼が部屋を訪れた時に、体と心を癒し、見返りにひとときの優しさと、「お給料」を頂く。
そう言う待遇を受けているのがおそらく自分だけではないことを想像しているが、何番目に気に入られているかどうかとか、は気にしないようにしていた。
楓は見た目は普通で、年齢もそう若くはない。狂児は優しいから、お情けで囲ってくれている。そう思っていた。

「ふっ……んっ……」
「……もうええ、挿れるで」

狂児の大きな手が頭に触れた。どきっとする。

楓はベストとスカートを脱ぎ、ストッキングと下着も脱いでシャツ一枚になった。壁に手をついて腰を突き出す。

「狂児さん……ほんまにお久しぶりです……」
「会いたかったで、この2年間。楓ちゃんのここは誰かのもんになったか?」

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