第3章 いとしくて、かなしい
「あっ……はぁ……あついぃ……」
「このままいくで」
「はぁ、はぁ……うぅ……はい……」
今日の昼から、彼に何度絶頂させられているだろう。もう既に楓の体力は限界に近い。楓の精神のキャパ以上の刺激と快感をずっと受け続けて眠気が凄まじい。
でも、狂児を置いていきたくない。楓は拳をぎゅっと握って手のひらに爪を立てた。
狂児は楓の脚を下ろすと、楓の体を抱きしめながら腰をゆっくりと揺らし始めた。
楓の体の中の狂児のものが柔らかくなり、そしてまた硬くなる。膣の中でその変化を感じ、首の後ろがぞわり、とした。
楓は狂児の背中に腕を回し返した。
お互いの首筋が目の前にある。狂児の唇が楓の首筋をちゅ、と軽く啄ばみ、時折軽く舌を這わせる。
まだゆる甘い腰の動きと、敏感な首回りへの愛撫が何もかもとろけそうに心地いい。
楓は啜り泣きのような声をあげて、狂児の背中に微かに爪を立てた。
「んっ……ぅうん……ぁ、ん」
「かわええ声やな」
低い、少し掠れた声音が熱い吐息を絡めて耳のすぐ横でして、それがダイレクトに胸腔と子宮に響いた。
もうすでに狂児のペニスは最大まで硬くなり、楓の膣を押し拡げている。また激しく突き上げられることを想像し、楓はぞくりと体を震わせた。
精液が潤滑の役目を果たし、凶暴なまでの質量は楓の中をぬるぬると行き来する。腰が抜けそうに、気持ちがいい。
「気持ちええか?」
「は……い……」
ゆっくり、ゆっくりと、楓を高めるように、また楓の中を味わうように、狂児は腰を揺らし続ける。
「楓ちゃん、目ぇ開けて、こっち見てや」
「ん……はずかしい……」
そう言いながらも言われた通り、狂児の顔を見る。目が合うなり、唇が降りてくる。噛み付くように、深く。深く。