第3章 いとしくて、かなしい

狂児のものだって、もうすでにかなり硬くなっている。膣口に先端を当てて、手でずれないように固定して軽く擦る。にちにち、と粘り気のある音が響く。

「ほぐさんで大丈夫か」

狂児はいつも、楓のそこを指で愛撫して感じさせ、よく濡らしてから挿入してくれる。

「大丈夫……です……」
「痛かったら無理すんなや。楓ちゃんのここ普通より狭いんやから」
「はい……」

ぐ、と腰を下ろす。ひきつれるような痛みがあったが、息を吐いて逃し、下半身の力を抜く。体重をかける。

「ん、んん、あっ」

きついのは一瞬で、先端が割れ目を通り、入り口をくぐり抜ける。広がる感覚で腰が揺れた。後はずぶずぶ、と侵入していく。
中程で少しきつくなったのでまたゆっくりと腰を下ろす。

「あっ……はっ……」

胎内で、みるみる硬さと質量が増す。腹の奥に先端が触れる。

「あっ……すごい大きくなった……」
「くっ……」

狂児が眉根を潜めて楓の腰に手を添える。その表情が色っぽくて、楓はため息をついた。
もっと、あなたのそういう顔が見たい。胸が焦がれるように熱くなる。

「狂児さん……んっ、んんっ」

腰を前後に揺らし、自分の体で狂児を満足させる為に動く。最奥に当たるたび、勝手に締まる筋肉がさらに奥へ引き込むような動きをする。楓は膝が震えるのをなんとか制して、狂児のペニスを扱くように動き続ける。
狂児が目を閉じて苦しそうな表情をしたかと思うと、楓の腰を掴んで動きを止めさせた。

「あかんあかん、楓ちゃん、タンマ」
「……？」
「出そうや……エロ過ぎるわ」
「ふふ、狂児さんにそんなこと言われると思わんかった」

おもわず笑って、腹部に力が入ると、中がきゅうと捩れて好いところに当たってしまった。体がびくりと跳ね、大きな声が出てしまう。くらりと来たので、慌てて後ろに手をついて体を支えた。

「んあ！んっ……や……恥ずかし……」

楓の声と反応を前にして、狂児の目が妖しく揺れる。
楓は思わず片手で口を覆った。

「狂児さん……あの……」
「優しくして欲しいんやろ？分かってるで」