第75章 折れない心
やけに寒く感じる。
血鬼術を酷使していたせいか、酷く疲弊しているし、何より血肉で飢えを凌がなければ、このまま朽ちてしまいそうだ。
戦闘能力に長けた若い肉体が揃っている。
どれも美味しそうではあるが、やはりこういった場面で一番に確保するべきは稀血だろうか。
口許のベタついた血液を舐め取りながら、白藤がニタリと笑う。
その表情に誰もが凍りつく。
はにかんだ様に、薄く笑うのが常だった、彼女の笑顔は。
どうしてこんなにも、暗く淀んだ笑いになってしまったのか……
「オ……マ、エ。オ、イシ……ソウ……」
不死川を指差し、白藤は笑う。
その笑みは無機質で。
彼女の普段とはかけ離れすぎていて。