第75章 折れない心
「おいおい……マジかよ……」
宇髄が距離をとるために爆薬を投げた。
が。
煙幕を逆手に取って、白藤が不死川に迫っていた。
「危ない、兄ちゃん!!」
「こっち来んな、玄弥!!」
邪魔されるのも、動かれるのも、煩わしい。
なら、足を止めさせればいいのだ。
「血鬼術・術式展開 反転 藤縛り」
白藤の血鬼術が変化する。
先程まで回復を優先する為の術だったが、今は加護で守られていた者たちが、蔦に巻かれて身動き出来なくなってしまったのだ。
加護の効果を使い果たしてしまった者やその効果の対象とならなかった者には効果が無いらしく……
今動けるのは、伊之助、善逸、玄弥、禰󠄀豆子、カナヲ、愈史郎と物陰にいる村田のみ。
どうして、白藤が、と冨岡は文字通り動けなくなってしまっていた。